お金の話

【保険の罠】外貨建て(貯蓄型)保険【為替】

外貨建て保険は本当にオススメ?

今はだいぶ落ち着いているようですが、一時期は外貨建て保険が流行っていたようです。

(今も流行ってるのかも知れませんが…)

お金の勉強を初めて半年くらい経ちますが、外貨建て保険は万人にオススメできる商品では無いと思ったため考えをまとめたいと思います。

外貨建て保険とは

保険料は円ベースで積み立てだったりドルベースで積み立てだったり色々あるようですが、基本的に円を外貨に替えて保険料を積み立てます。

その後、保険金の受け取り条件を満たせば保険金を受け取れ、満期まで何もなければ保険料を運用して増えたお金を将来受け取ることが出来ます。

保険商品は様々なタイプのものがありますが、大まかにはこんな感じです。

外貨建て保険のメリット・デメリット

主なメリット

保険料は安い

これは素直にメリットかなと思います。

…が、「保険料“は”安い」点に注意です。

利回りが大きい

日本はこれ以上無いくらいの低金利の時代です。金利なんてほとんど関係ないくらい低いです。

しかし、海外では年利数%の金利が付く国もあります。

それなら、外貨で持っておいた方が良いと思いますよね。

ということで、これはメリットとして紹介されていることが多いようです。

しかし、個人的にはメリットでもありデメリットでもあると思っています。

だって、「リターンが大きい=リスクが大きい」ですから。

とりあえず利回りが大きいのは確かなのでメリットにしておきます。(後ほど少し説明しますが金利の罠もあるので注意しないといけませんね)

保険料控除の対象

保険をかけた「ついでに」保険料控除になるならメリットだと思います。

必ず年末調整か確定申告をしたいですね!

主なデメリット

為替リスク

これが、外貨建て保険の1番のリスクです。為替レートが外貨建て保険の全てを決めると言っても過言では無いと思います。

あらゆる場面で影響を及ぼします。

1ドル100円の時に積み立てて、受け取り時に1ドル120円になっていればラッキーです。

しかし、1ドル100円の時に積み立てて、受け取り時に1ドル80円になっていたら、目も当てられません。

そして、なにより保険の場合には保険金を受け取る時期をコントロール出来ないのが問題です。

受け取るときに円安になっていればいいですが、その保障はありません…。

(保険自体が不幸のギャンブルなのに、受け取る保険金までギャンブルで決めるは怖いですね…泣)

為替手数料

円を外貨に替える際に手数料が発生します。

つまり、保険料を1,000円支払っても、そこから為替手数料を支払った後の金額を保険料として積み立てます。

そして、為替手数料は外貨を円に替える際にも発生します。

保険料自体は安いかもしれませんが、こういった手数料を支払っている点は注意ですね。

契約・解約にも手数料

ここでも手数料がかかる場合があります。

高利回りを餌に契約を誘い、手数料を取るビジネスモデルの場合に多いですね。

特に解約時の手数料は見落としがちです。

途中解約で元本割れ

「貯蓄も出来ますよ」みたいに勧誘されますが、満期を迎えないと元本割れする貯蓄です。貯蓄なのに元本割れって怖いですね。

将来受け取れる金額が不明

これ、保険の目的に合わない致命的なデメリットだと思います。

保険って、「万が一何かあった場合には、このくらいのお金が必要だ」って考えて入るものだと思いますが、外貨建て保険の場合には支払われる保険金がその時の為替レートで変わってきます。

「5,000万円貰える予定だったのに、4,000万円にしかならなかった。1,000万円も足りない!」なんてこともあり得ます。

金利リスク

ちょっと余談ですが、運用先が外貨建て貯金や国債の購入の場合にもリスクがあります。

金利が高いことは良いことですが、その分リスクも存在します。

極端な例かもしれませんが、日本の金利は0.001%ほどで非常に低いです。

一方、トルコの通貨であるトルコリラは金利が10%を超えます。

銀行の窓口で、「日本は金利は低いので、トルコリラで貯金した方がいいですよ」とか「トルコリラの外貨建て保険で運用すれば年利10%以上で増えます!」と言われたら、トルコリラが欲しくなりますよね。

しかし、気を付けてください。危険な通貨だからこそ、利回りを高くしないと誰もトルコリラを買ってくれないのです。

また、外貨で貯金した場合には額面の数字は増えますが、円に換算すると減ることがあります。

具体的には、5年前1トルコリラが約50円だったのに、現在では1トルコリラが約14円になっています。つまり、貨幣価値が1/3以下になっているということです。

実際に計算してみた

5年前に1,000,000円分をトルコリラで預けて年利10%で5年運用するとどうなるか。

5年前は1トルコリラが50円なので、

  • 1,000,000円=20,000トルコリラ

になります。

年利10%で運用した場合、現在は32,210トルコリラになっています。(とても利益が出ているように見えます)

では、トルコリラを円に替えてみます。

現在は1トルコリラが14円ですから、

  • 32,210トルコリラ=450,940円

になります。

よって、1,000,000円が5年後に450,940円になりました。

金利で増えても為替により貨幣価値が下がっているので損をしているのですね。

結局は投資で運用

外貨建て保険って、保険という名前ですが、結局は投資による資産形成もセットなんですよね。

「外貨建て保険を資産形成として使いましょう」なんていうFPもいますが、資産形成目的なら素直に投資した方がいいです。

保険とセットにして割高な手数料を支払うメリットはありません。

保険会社の視点

こんなこと言うと怒られるかもしれませんが、保険会社は保険の契約者にお金を出させて運用し、利益の一部を手数料として持っていきます。

保険会社はリスクを取らない(=お金を出さない)のに利益を得ることが出来ます。(滅茶苦茶シャープレシオ高いですね 笑)

保険会社からすれば、運用に失敗して契約者がお金を失おうと手数料を取れるため、保険商品を売った後はどうでもいいのです。途中解約されても元本割れで返戻金を出すだけですから。

保険は「万が一に備えるもの」ですが、投資は「万が一に備えるものでは無い」ので別々に考える方が良いと思います。

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